フリー・ガイ(2021年製作の映画)上映時間:115分
評価【★★★★☆】4.0/5点満点中
監督
ショーン・レヴィ
脚本
マット・リーバーマン
出演者
ライアン・レイノルズ
ジョディ・カマー
ジョー・キーリー
チャニング・テイタム
タイカ・ワイティティ 他…
あらすじ
本作の主人公は、ゲームでやりたい放題する我々プレイヤーではなく、一銀行員という”モブ”の男ガイ。ある時、プレイヤーの一人の女性にひとめぼれしてからゲームは急変する。いつも同じ行動しかしないはずの男が急に自我に芽生え、片思いの女性に振り向いてもらうため、ガイはゲーム内で”良き行い”を繰り返していく。いつしかそれはゲーム世界の運命を握ることへと変わっていくのであった…。
総評
「ナイト・ミュージアム」のショーン・レヴィ監督がライアン・レイノルズとタッグを組んだ本作。本作の良いところは、ガイがゲームの主人公でもなんでもなく、モブキャラというところでしょう。物語の主人公になれないと思っている我々と同じ目線で語られるので、ガイがまず自我を持ち行動をしたところでカタルシスが、終盤ガイだけでなく、周りのモブキャラも思い思いの行動をするところでさらにカタルシスが来るようになっています。
周りを固めるキャスト陣も良かったです。特にジョー・キーリー演じるプログラマは、ゲームのモブたちと同様本当にやりたいことをせずに、決められた仕事を上司から言われて遂行するだけの人になっています。が、ゲームの真実に近づくにつれて、ライアン・レイノルズに負けない、現実側の登場人物として自らの意思で行動する様になります。社長であるタイカ・ワイティティに中指を立て、全世界にガイの行動を中継するところはよくやったと親指を立てたくなりますね。
本作は「マトリックス」のような絶望感は感じさせず、かといって「レディ・プレイヤー1」の様にプレイヤー目線だけでもない絶妙な中間点に属しており、暗くなりすぎずまるで本作のゲームに登場するライトセーバーやハルクの様に、ポップな仕上がりになっています。爽快感のある本作、夏が終わりに近づいていますが夏修めに是非ご鑑賞下さい。
追伸:本作の敵となるゲーム会社がコナミをもじったスナミという名前なのは、小島秀夫を追放したコナミを皮肉っているのかな。なんて思ったりしました。