インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)上映時間:154分 ネタバレあり
評価【★★★☆☆】3.2/5点満点中
監督
ジェームズ・マンゴールド
脚本
ジェズ・バターワース
ジョン=ヘンリー・バターワース
デヴィッド・コープ
ジェームズ・マンゴールド
出演者
ハリソン・フォード
マッツ・ミケルセン
ジョン・リス=デイヴィス
ボイド・ホルブルック 他…
あらすじ
ハリソン・フォード演じる大ヒットシリーズ「インディ・ジョーンズ」がこの夏、最後にして、最大の冒険へ。“人類の歴史を変える力”を持つ究極の秘宝《運命のダイヤル》を巡り、考古学者にして冒険家のインディが” 、因縁の宿敵、元ナチスの科学者フォラーと全世界を股にかけて陸・海・空と全方位で争奪戦を繰り広げる!巨匠ジョン・ウィリアムズのおなじみのテーマ曲に乗せて、インディ・ジョーンズと共に映画館で壮大な冒険を体験する究極のアクション・アドベンチャーの幕が上がる 。
フィルマークスよりあらすじ抜粋
総評
ネタバレというよりは残酷描写についての言及ありです。
なんというか、可もなく不可もなしという感じの一作でした。インディを御年80歳のハリソン・フォードが演じることによる”老い”の部分は観ている我々も感じていること。そこ自体はそんなに悪くなく、シリーズ恒例の冒頭の授業シーンで求愛されていた若き日の面影はありません。生徒からも奥さんからも相手にされなくなってしまった孤独な老人が映し出されるのは納得の描写と言えるでしょう。
そんな彼が過去の因縁から再び冒険の旅に出ることになるのですが、この冒険抑えるところは抑えてあります。カーチェイスあり、銃撃戦あり、水中アクションありと盛りだくさんです。海のシーンではアントニオ・バンデラスまで出てきて、物語を盛り上げてくれます。とはいえ、やはりどこか見覚えのあるというか、新鮮味に欠ける絵が散見されていたのではないでしょうか。スピルバーグならどう撮っていたかな…。なんて気持ちにさせられます。
最後にこれだけはネタバレで言わせてください。マッツ・ミケルセンのきれいな顔がとんでもないことになるのを私は楽しみにしていたんだぁ~!悪役のあんなきれいなオチはインパクトに欠けます。やっぱり悪役は悪役らしく描いてほしかったところ。
シリーズを観てきた方ならあの音楽を聴けば心が躍ること間違いなし。彼の現状最後の物語を是非見届けてください。
君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)上映時間:132分
評価【★★★☆☆】3.5/5点満点中
監督
ルカ・グァダニーノ
脚本
ジェームズ・アイヴォリー
出演者
ティモシー・シャラメ
アーミー・ハマー
マイケル・スタールバーグ
あらすじ
1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と夏を過ごす17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。一緒に自転車で街を散策したり、泳いだり、午後を読書や音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオのオリヴァーへの気持ちは、やがて初めて知る恋へと変わっていく。
眩しすぎる太陽の中で、激しく恋に落ちるふたり、しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいてくる。
フィルマークスよりあらすじ抜粋
総評
ティモシー・シャラメがまぁ絵になる映画です。映画としてはかなりじっくりと展開を描いていますが、先にも述べた通りティモシー・シャラメがとにかく美しい。もちろん物語も美しいとは思うのですが。
OPにギリシャ彫刻が次々と出てくるのですが、その彫刻と変わらないくらいの絵になるシャラメ。彼だからこそセンシティブな表現も出来たのでしょうね。
1980年代という事もあり、まだLGBTは世間の批判の的特に教職に就くオリヴァーは愛するエリオへの気持ちを抑え、裏切るような形に終わってしまいます。それはまだ幼いエリオにとってどれほどの傷だったでしょうか。最後の顔のアップ長回しが良い味を出しています。
またイタリアの原風景ともいうべきでしょうか。のどかな風景や町並みが非常に美しく、そのことがより物語を絵画の様にしていますね。
総じて正直人を選ぶ作品になっているかと思いますが、夏の終わりに切ない映画を観たいとなったらこの映画を選択肢に入れていただければと思います。
サムライ(1967年製作の映画)上映時間:105分
評価【★★★★☆】4.0/5点満点中
監督
ジャン=ピエール・メルヴィル
脚本
ジャン=ピエール・メルヴィル
出演者
アラン・ドロン
ナタリー・ドロン
フランソワ・ペリエ
カティ・ロジェ 他…
あらすじ
殺し屋の男、ジェフ・コステロは一匹狼の殺し屋。慎重に慎重を重ねて犯行に及ぶ。だが、或る殺しの際にピアニストの女性に目撃されてしまう。殺し屋の失敗から始まる物語の結末は…。
総評
アラン・ドロンがかっこいいそれに尽きる映画と言えます。いかに彼を美しく魅せるかに特化しており、セリフも最小限、音楽もかなり控えめでシリアスでダークな世界観を描いています。
大げさな演技やアクションもなく、冒頭から約9分間はセリフもない状態で、アラン・ドロンがただ映し出されるだけという事、そしてそれで全く説明不足ではなく観客である我々にひしひしと彼の人間性が伝わってくることは演出の妙という他ありません。
男の孤独な生きざまを見せつけた100分。是非ご鑑賞いただければと思います。
バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)上映時間:101分
評価【★★★★☆】4.0/5点満点中
監督
トミー・ウィルコラ
脚本
パット・ケイシー
ジョシュ・ミラー
出演者
デヴィッド・ハーバー
ジョン・レグイザモ
アレックス・ハッセル
アレクシス・ラウダー 他…
あらすじ
物欲主義な子供たちに嫌気がさして久しく、少しばかりお疲れ気味のサンタクロースは、体に鞭を打ち良い子にプレゼントを届けるため、トナカイが引くソリでクリスマスイブの空を駆け回っていた。とある富豪ファミリーが盛大にクリスマスパーティーを開く豪邸に降り立ち、煙突から部屋へ入ったサンタが偶然鉢合わせたのは、金庫にある3億ドルの現金を強奪するため潜入したスクルージー率いる武装集団だった。
フィルマークスよりあらすじ抜粋
総評
本作が日本で公開されたのは、2月。本国アメリカでは12月だったことを踏まえるとこれをクリスマスに上映しないとは何事かという感じですね。
冒頭トル―ディが「ホーム・アローン観た!」と言っていた通り、そのリスペクトは感じつつ、サンタの吐くゲロから始まり、血みどろ満載、Fワード連発と大人版いやバイオレンス版「ホーム・アローン」な作品になっています。
クリスマス映画の常識をぶっ壊すかの様なつくりになっているとも言えますが、意外と王道のストーリーなんですよね。サンタを信じられなくなった大人たちとサンタを信じる子供の対比そしてそんなサンタ自身も仕事の目的を見失いこれがラストクリスマスだと言っているところから終盤になるとサンタは自分の仕事にやりがいを感じ、大人たちはサンタを信じる様になっていきます。課程は血みどろでしたが、作品はほっこりとさせる作りになっていますね。
またサンタ役のデヴィッド・ハーバーの体形に合わせたかのようなハンマーという武器の選択やアクションにキレのある動きを取り入れるのではなく、重量感がありながら、敵役の動きである程度スピーディに見せるというのがうまいですね。さすが87ノース・プロダクションズです。
総じてバイオレンス要素ももちろんいいのですが、ストーリーも泣かせに来る作りになっており、まさにクリスマスに見えておきたい。これからの定番になりうる作品と言いえるでしょう!まだ残暑が続く9月に書いておりますが、是非ご鑑賞下さい!
ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)上映時間:144分
評価【★★★★☆】4.4/5点満点中
監督
アンディ・ムスキエティ
脚本
クリスティーナ・ホドソン
出演者
エズラ・ミラー
ベン・アフレック
マイケル・キートン
ロン・リヴィングストン
マイケル・シャノン
サッシャ・カジェ 他…
あらすじ
地上最速ヒーロー“フラッシュ”は亡き母を想うあまり“過去”に遡り彼女の命を救うが、その行動が“現在”に歪みをもたらしてしまう。スーパーマンらはこの世界には存在せず、バットマンはまったくの別人に。さらに、かつてスーパーマンが倒したはずの敵が大軍勢を率いて襲来、地球植民地化を始める。フラッシュは別人のバットマン、黒髪のスーパーガールとともに、世界を元に戻し人々を救おうとするが…。時空を超えて DC ヒーローたちが交錯するタイムループ・アドベンチャー!
フィルマークスよりあらすじ抜粋
総評
本作はフラッシュいやフレッシュな映像表現が満載、そして肝心のストーリーも文句なしの出来です。主演のエズラ・ミラーの彼じゃなきゃできない演技も絶品。という事で四の五の言わずまず観ることをおススメします。
本作の良いところはもちろん今までのDC作品を観ていることでわかる面白さもありますが、観てなくても十分楽しめることでしょう。「ジャスティス・リーグ」、「BVS」、観なくてもいけます!主人公バリーが超能力を得る誕生譚も兼ねているので本作を視聴するのに前情報は必要ないんですね。
前半、オープニングは超高速で走るフラッシュによる救助シーンで能力の説明とコメディを兼ねた見事なシーンで始まります。そして登場する二人のバリーが自然すぎて、一人二役で長時間絵をもたせられるあまりにも素晴らしいエズラ・ミラーの演技が物語に深みを持たせます。対照的な二人の主人公の終盤行われるあるやり取りには思わずグサッと胸に刺さります。
そしてやはり避けては通れないのがマイケル・キートンのバットマン!抜群の演技でしたねぇ。独り孤独に生きる男、そしてやはりどこかおかしい人、頼れる大人。様々な面を見せてくれましたし、登場のさせ方と品がありました。
総じてDCEUの中でも1,2を争うほどの作品だと言えます。凡庸な表現になりますが、笑って泣けるそんな一作です。フラッシュのごとく早くその目で確かめてください!
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)上映時間:150分
評価【★★★★☆】4.0/5点満点中
監督
ジェームズ・ガン
脚本
ジェームズ・ガン
出演者
クリス・プラット
ゾーイ・サルダナ
カレン・ギラン
ブラッドリー・クーパー
ヴィン・ディーゼル
デイヴ・バウティスタ 他…
あらすじ
アベンジャーズの一員としてサノスを倒し世界を救ったものの、ガモーラを失ったショックから立ち直れないピーター・クイルとガーディアンズの仲間たち。そんな彼らの前に、銀河を完璧な世界に作り変えようとする、恐るべき狂気の科学者が立ちはだかり、ロケットに命の危機が迫る。家族を超えた絆で結ばれた大切な仲間の命を救うカギは、ロケットの知られざる過去に隠されていた…。最強の落ちこぼれチームvs最凶の完璧主義者の全銀河の運命をかけたラストバトルが今、始まる――。
マーベル公式サイトより引用
総評
あのガーディアンズの最終章!今後続編が作られたとしても、ジェームズ・ガンはDCに移ってしまったのでホントの意味での最終回といえるでしょう。その最終章の出来はというと…。ジェームズ・ガンさすがの一言です。
今作は主人公がロケットといっても差し支えないほど彼をフィーチャーした作品でした。なぜ彼が二足歩行でしゃべるアライグマになったのかを描いています。その物語のなんとえげつないことか。今回のヴィランである「ハイ・エボリューショナリー」は理想を追い求める科学者かと思いきや、物語が進むにつれて飛んだクソ野郎である事が判明していきます。そのあまりの行いのひどさに引いてしまう人もいるでしょう。
クライマックス直前の長回しによる通路でのアクションシーンは、監督の前作である「ザ・スーサイド・スクワッド」でも見られたシーンでよりグレードアップして見せてくれています。それぞれのメンバーの長所を活かしたアクションは必見です。
総じて大方満足はしているのですが、若干尺が長く感じられてしまったこと、ギャグシーンが少しくどいかも?という感じがほんの少しのマイナス点です。
ガーディアンズを追ってきた人ならば、この結末を見届けるしかないという作りになっています。これからガン監督が作っていくDCの世界もかなり期待できるそんな一作になっています。おススメ。
処刑人(1999年製作の映画)上映時間:110分
評価【★★★☆☆】3.8/5点満点中
監督
トロイ・ダフィー
脚本
トロイ・ダフィー
出演者
ウィレム・デフォー
ショーン・パトリック・フラナリー
ノーマン・リーダス 他…
あらすじ
二卵性双生児のコナーとマーフィーは、突然のことからマフィアを殺害してしまう。すぐに警察に出頭した2人には正当防衛が認められ、釈放される。しかし、拘置所の中で「悪人は殺しても良い」と神に告げられた彼らは、処刑人として立ち上がることになり…。
フィルマークスよりあらすじ抜粋
総評
まだまだじめっとした空気の今日この頃、スカッとした映画を観たい!という事で選んだのが本作「処刑人」。ウィレム・デフォーとまだ若かりしノーマン・リーダス、ショーン・パトリック・フラナリーが演じるこのキャラクター達は物語を通して愛すべき人物たちに昇華されています。
斬新なカット割り、神の啓示を受けるシーン、そして銃の乱射などどれをとっても90年代!という感じが凄まじいです。しかし、決して古臭いわけではなくこの映画の味として活かされています。
とにかく「Fu○○!」と言いまくり、銃を乱射しとやりたい放題な本作は終盤の展開でグイっと引き込まれ、最後は「そうなるの!?」という気持ちと「なるほど正に「処刑人」だ」という気持ちにさせられること請負い。
本編110分と比較的見やすいのも良いですね。是非ご鑑賞ください。