映画愛が足りないブログ

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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)上映時間:118分

公式サイトはこちらから

評価【★★★★☆】4.0/5点満点中

監督
 雨宮哲
脚本
 長谷川圭一
主題歌/挿入歌
 大石昌良オーイシマサヨシ
出演者
 緑川光
 広瀬裕也
 斉藤壮馬
 宮本侑芽
 榎木淳弥  他…

 

あらすじ

都立ツツジ台高校。
放課後の教室で、響裕太は記憶の中にあるはずのグリッドマンをノートに何度も描いては消していた。
かつてこの世界はひとりの少女によって作られ、壊された。その少女の心を救ったのは、異次元からやってきたハイパーエージェント・グリッドマンと、彼女が作った心を持った怪獣、そして裕太たちであった。
2年生に進級し、六花と別のクラスになった裕太は告白を決意する。そんな平和になった世界で過ごす彼らの日常は、轟音と共に崩れ始める。裕太に訪れる危機の最中、突如現れるグリッドマンは語りかける。
「この世界のバランスが崩れようとしている」
やがて真紅の強竜ダイナレックスや、グリッドマンの協力者である新世紀中学生、そして別世界の住人、麻中蓬たちも裕太の前に次々と現れる。六花への想いを秘めたまま、裕太の非日常が始まった。

フィルマークスよりあらすじ抜粋

filmarks.com

総評

 円谷特撮「電光超人グリッドマン」をアニメ化し、好評を博した「SSSS.GRIDMAN」と「SSSS.DYNAZENON」の続編である本作。お祭り作品と銘打って出されたこの作品は文字通り「お祭り!」な印象です。

 物語冒頭、主人公の裕太はグリッドマンの絵を書いては消し、書いては消しと繰り返していると紙が破れてしまいます。…まさか、これが伏線になっていたとは!

 「GRIDMAN」と「DYNAZENON」は異なる世界の話でしたが、本作はすんなり世界が融合し、クロスオーバーを果たしています。

 通常物語の1期、2期、劇場版となった場合は2期の登場人物が主役になり1期の主人公たちがバックに着くことが多いと思うのですが、2期のメンバーはその作品で成長しきっており、本作は1期の「GRIDMAN」のメンバー特に主人公裕太がヒロインとくっつくのかともう一人の主人公「グリッドマン」の秘密に焦点を当てています。それが功を奏しており、最初は置いてけぼり気味だった観客が徐々に主人公の恋や世界の謎に興味を持てる様になっています。

 そして物語のクライマックスが3つも4つも乱発して叩き込まれるラスト40分くらいはさすが「TRIGGER」作品だなと感じさせます。

 一つ難点を挙げるとしたらこの作品から見始めた人にはよりなんのこっちゃわからない作品であるという事でしょうか。1期、2期を踏まえて是非ご鑑賞ください。

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)上映時間:134分

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評価【★★★★☆】4.2/5点満点中

監督
 ジョン・フランシス・デイリー
 ジョナサン・ゴールドスタイン
脚本
 ジョン・フランシス・デイリー
 ジョナサン・ゴールドスタイン
出演者
 クリス・パイン
 ミシェル・ロドリゲス
 ジャスティス・スミス
 ソフィア・リリス
 ヒュー・グラント  他…

 

あらすじ

 様々な種族、モンスターが生息する世界、フォーゴトン・レルム。盗賊のエドガンと彼の相棒である戦士のホルガは、ある目的のために旅に出る。特殊能力を持った魔法使いサイモンとドルイドのドリック、そして聖騎士のゼンクとパーティを組み、全世界を脅かす巨大な悪の陰謀に対峙することになる・・・。

 

フィルマークスよりあらすじ抜粋

filmarks.com

 

総評

 ノーマークだったのですが、時間があり観てみるかと思い鑑賞。結論「ちょうどいい!・楽しい!」映画でした。今作はガーディアンズ3よりもガーディアンズらしい作品と言えます。「ならず者たちの集団」、「家族愛で泣けて」、「いっぱい笑えて」と三拍子そろっており、ポップコーン映画として楽しめます。TRPG(テーブルロールプレイングゲーム)を原作にしており、RPGらしく様々な職種(魔法使い、盗賊、戦士)が物語を彩っています。この登場人物たちが皆愛おしい悪役のヒュー・グラントですら思わず笑ってしまいます。お笑い要素も満載で特に墓を荒らして死人からヒントを得るシーンは思わず笑ってしまう大好きなシーンです。
 徐々にお互いを、自分の正義を信じ成長していくストーリー展開は、さっきまで笑っていた目頭が熱くなります。クライマックスのそれぞれの連携がバチっと決まった時は爽快ですね。続編があってもなくてもどちらでもいい終わり方で、興行的にはおそらく続編は作られないかもしれませんが、彼らの物語をまだ見ていたいそんな気持ちにさせてくれる一本です。是非ご鑑賞ください。

 

 

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)上映時間:151分

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評価【★★★★☆】4.6/5点満点中

監督
 スティーヴン・スピルバーグ
脚本
 トニー・クシュナー
 スティーヴン・スピルバーグ
出演者
 ミシェル・ウィリアムズ
 ポール・ダノ
 セス・ローゲン
 ガブリエル・ラベル  他…

 

あらすじ

 サミー・フェイブルマンは幼き日に両親に連れて行ってもらった映画を観てから人生が一変。映画にのめり込む様になる。巨匠スティーヴン・スピルバーグの半自伝的作品

総評

 映画・映像の持つ力それをありありと(物語的にも)見せつけられる一本になっています。スティーヴン・スピルバーグの半自伝的な作品である本作。この作品のタイトルが「フェイブルマン」ではなく「フェイブルマン”ズ”」という個人のフォーカスした物語ではなく、家族になっているところがミソです。

 フェイブルマン少年の天才と言える才能を次々と畳みかける様や映像を撮る楽しさ。

そういったスピルバーグ自身が感じたことを素直に見せてくれるので、こちらも楽しくなります。高校の卒業式のシーンはどこか郷愁を感じさせ、胸が熱くなります。

 尊敬すべき両親が段々と離れていく様は観ていてつらくなりましたし、また夢を追う事特に芸術に人生をささげることの難しさも描かれています。それでも最後は映画を撮り続けるという流れも良かったですね。

 また特筆すべきはスピルバーグの少年から青年期にスポットを当てているところです。普通なら大ヒットした映画の舞台裏を描きそうなところをそこで終わるのかと思わずうなってしまいました。

 最後のまだまだ撮りまっせ!これからも学ばせていただきます!という姿勢が伝わるカットは鑑賞後に清涼感を与えてくれます。傑作です。是非ご鑑賞ください。

 

 

 

NOPE/ノープ(2022年製作の映画) 上映時間:131分

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評価【★★★★☆】4.2/5点満点中

監督
 ジョーダン・ピール
脚本
 ジョーダン・ピール
出演者
 ダニエル・カルーヤ
 キキ・パーマー
 スティーヴン・ユァン
 マイケル・ウィンコット  他…

 

あらすじ

舞台は南カリフォルニア、ロサンゼルス近郊にある牧場。亡き父から、この牧場を受け継いだOJは、半年前の父の事故死をいまだに信じられずにいた。形式上は、飛行機の部品の落下による衝突死とされている。しかし、そんな“最悪の奇跡”が起こり得るのだろうか?何より、OJはこの事故の際に一瞬目にした飛行物体を忘れられずにいた。牧場の共同経営者である妹エメラルドはこの飛行物体を撮影して、“バズり動画”を世に放つことを思いつく。やがて起こる怪奇現象の連続。それらは真の“最悪の奇跡”の到来の序章に過ぎなかった……。

 

フィルマークスよりあらすじ抜粋

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総評

 お久しぶりでございます。私事で色々とあり、あれよあれよという間にこんな時期になってしまいました。約5か月間放置してしまっていましたが、その間に観た作品をぽつぽつと語っていきたいと思います。

 「ゲットアウト」「アス」のジョーダン・ピール監督の最新作で先日Amazonプライムに来た事、観よう観ようと思って先延ばしにしていたこともあり鑑賞しました。

 この映画はホラーと西部劇が見事に融合したような作品になっています。前半は怪奇現象の謎を追う兄妹のホラーとなっていますが、徐々にその怪奇現象を撮る試行錯誤のストーリーとなり、最後はさながら西部劇もしくは「ジョーズ」さながらのアクションを繰り広げフィニッシュ!冗長さもなく、スムーズにエンディングに入ります。

 主演のダニエル・カルーヤとキキ・パーマーの二人のキャラクター設定も良く序盤でこういう関係性なんだとすぐにわかるのも良い采配でした。特にダニエル・カルーヤの常に覚悟を決めている様な表情は良いですねぇ。

 宣伝でも幾度となく見せられたAKIRAの金田バイクシーンは思わず劇中の兄妹さながら高速タッチをしたくなります。怪奇現象の正体「○○○○」の造形もエヴァ使徒っぽさがあり良かったですね。

 総じてホラーの面と西部劇の面を併せ持つエンタメ作品として優秀な出来と言えるのではないでしょうか。できれば劇場のIMAX画面で「見上げる」体験をしたかったですね。そうでもなくても良作です。おススメ。

 

LAMB/ラム(2021年製作の映画)上映時間:106分

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評価【★★★☆☆】3.4/5点満点中

監督
 ヴァルディミール・ヨハンソン
脚本
 ショーンヴァルディミール・ヨハンソン
出演者
 ノオミ・ラパス
 ヒナミル・スナイル・グヴズナソン
 ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン 他…

 

あらすじ

 山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリア。ある日、二人が羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子供を亡くしていた二人は、"アダ"と名付けその存在を育てることにする。奇跡がもたらした"アダ"との家族生活は大きな幸せをもたらすのだが、やがて彼らを破滅へと導いていく—。

フィルマークスよりあらすじ抜粋

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総評

 アイスランド映画である本作。雄大大自然、羊たちの牧歌的な営み。そして終始湿っぽい不気味な雰囲気。

 セリフを最小限に抑え、特に前半はなんの説明もないまま進むのでドキュメンタリーを観ているかのような作品です。しかし、子羊が生まれてから物語がグッと進んでいきます。

 そしてゆっくりとしかし不穏な空気を醸し出していたと思ったらラストで一気に持っていかれます。何度か示唆するシーンはありますが、そういうラストだったのかとさせてくれます。好き嫌いが分かれるラストだと思いますが、私は結構好きですね。

 総じて終始湿っぽい雰囲気があり、セリフも少ないのでエンタメ作品としてものたりないという方もいるかと思います。そういったセリフの少ない場面を楽しめるかどうかが、ポイントになるかと。個人的にはおすすめの一作になっています。是非ご鑑賞下さい。 

サスペリア(1977年製作の映画)上映時間:99分

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評価【★★★☆☆】3.7/5点満点中

監督
 ダリオ・アルジェント
脚本
 ダリオ・アルジェント
 ダリア・ニコロディ
出演者
 ジェシカ・ハーパー
 ステファニア・カッシーニ
 フラヴィオ・ブッチ  他…

 

あらすじ

 ニューヨークからドイツのバレエ学校にやってきたスージーは、激しい雨の中、ようやく学校にたどりつき、扉を叩くが応答はなかった。翌朝、改めて学校を訪れた彼女は、副校長のブランク夫人とタナー女史に紹介される。ハードなレッスンが始まるが、不安や疲労がたまったスージーは倒れてしまい、目がさめると寄宿舎のベットにいた。そこで彼女は以前から学校で何人もの人間が行方不明になっているという謎めいた話を聞かされる。

フィルマークスよりあらすじ抜粋

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総評

「決して、一人では見ないでください」のキャッチフレーズで一躍有名となったジャッロ映画の金字塔、サスペリアです。赤や黄色、緑のライトで鮮やかに場面を彩り、殺しのシーンを芸術的なものへと昇華させています。

ストーリーは観ている側は誰によって殺されているのかという犯人探しに終始してしまうのですが、実は劇中でも示唆されている通りオカルトが基になっているというのがミソですね。

まるで悪夢の様なセットに迷い込んだ少女を演じるのはジェシカ・ハーパー。彼女の頑な性格という設定が物語の真理究明に一役買っています。

総じて美術と音楽、そして俳優の演技が一体になって、鮮烈なスリラー映画になっています。Amazonプライムでの見放題対象からもうすぐ外れてしまう(2023年3月現在)ので、今のうちに視聴することをおススメします。

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)上映時間:121分 ネタバレあり感想

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評価【★★☆☆☆】2.5/5点満点中

監督
 庵野秀明
脚本
 庵野秀明
原作
 石ノ森章太郎
出演者
 池松壮亮
 浜辺美波
 柄本佑  他…

 

あらすじ

 「仮面ライダー」が庵野秀明によって再構築。池松壮亮が本郷猛。柄本佑が一文字隼人、そしてヒロインの緑川ルリ子を浜辺美波が演じる。

総評(ネタバレあり感想の為、注意してください。)

 17日午後7時、最速上映こそ逃したもののその次の回の席を取る事に成功。鑑賞してきました。結論から言いますと、本作は庵野作品の中でもワースト候補に挙げられるといっても過言ではないでしょう。

序盤のクモオーグ戦がピークといっても過言ではなく、後に続くのは演技をしない(させてもらっていない)役者陣と専門用語を羅列するストーリーです。物語中盤以降で浜辺美波こと緑川ルリ子が亡くなるのですが、全く感情移入できず、遺言をおさめたビデオメッセージもなんだか古臭くて見てられませんでした。そんなわけでそのあと迫真の涙を見せる池松壮亮の姿を観てもちっとも心に来るものはありませんでした。


じゃあアクションはどうなのというと、こちらもまた微妙です。下手なCGで作られた怪人、仮面ライダーの動きは人形にしかみえずチープな印象を抱かずにはいられません。

そして見せ場であるショッカーライダー戦はトンネルの真っ暗な中での戦闘で、暗くて何が起きているのか全く分からず、いつの間にかショッカーライダーたちがやられているぞという感じです。最終決戦の仮面ライダー0号ことチョウオーグ戦は00年代前半かと思うほどカメラをグラグラと揺らし、観ているこちらに吐き気を催させます。(そしてケリの付け方もよくわかんないし。)


良いところをあえて挙げるとすると、思ったよりも怪人が多く出てきていること。仮面ライダーの衣装デザインは非常に良く、画面に出てきているだけでも華があります。逆に言うとそれくらいですかねぇ。あとラストがサイクロン号とマスクが初代新1号をイメージされていたのもまぁ良かった点ではあります。(最後観ている時点でテンションはダダ下がりなので、あまり上がりませんでしたが。)

 

総じて、つまらなかったです。

庵野監督らしい何か新しいルックが出てくるわけでもなく、庵野監督の悪いところである専門用語の羅列や役者に演じさせないというところが悪いところとして出てきてしまっています。池松壮亮柄本佑という若手俳優の中でも演技力の高い二人を用意して翁がらのこの始末なので、もったいないの一言です。それでも庵野監督の最新作だからという事で見届けたいのであれば、劇場で鑑賞することをおススメします。