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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)上映時間:113分

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評価【★★★★☆】4.2/5点満点中

監督
 エドガー・ライト
脚本
 エドガー・ライト
出演者
 アンセル・エルゴート
 ケヴィン・スペイシー
 リリー・ジェームズ
 ジェイミー・フォックス
 ジョン・バーンサル
 ジョン・ハム   他…

 

あらすじ

 天才的なドライビング・センスを買われ、犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若きドライバー、通称「ベイビー」。彼の最高のテクニックを発揮するための小道具、それは完璧なプレイリストが揃っているiPod。子供のころの事故の後遺症で耳鳴りが激しい彼だが、音楽にノって外界から完璧に遮断されると、耳鳴りは消え、イカれたドライバーへと変貌する。ある日、運命の女の子デボラと出会ってしまった彼は犯罪現場から足を洗うことを決意。しかし彼の才能を惜しむ組織のボスにデボラの存在を嗅ぎ付けられ、無謀な強盗に手を貸すことになり、彼の人生は脅かされ始める――。

 

フィルマークスよりあらすじ抜粋

filmarks.com

 

総評

 エドガー・ライト監督の作品。監督はこの作品を20年以上温めてきたうえでついに公開されたという渾身の一作になっています。

 物語冒頭「ベルボトム」に合わせながら縦横無人にカーチェイスを繰り広げるシーンで爽快感抜群、次々に場面を切り替えながら町を踊る様に逃走していく画力にもっていかれました。そしてそこからシームレスに、主人公ベイビーの性格、周囲との関係性、出自を説明してくれるので須賀、あまりにもスムーズに説明されるため、感動すら覚えます。

 本作はカーアクションにとどまらず、人や車の動きに合わせて音楽が効果音が奏でられるミュージカルであり、ラブストーリーでもあり、人とのつながりを持たずに生きてきた青年の成長譚でもあります。それが全て反目しあわず、ドライビングかの様なテクニックで調和されています。

 主演のアンセル・エルゴートがまた絶妙な繊細さと手足の長さで本作の主人公を見事に演じ切っています。また脇を固める俳優陣も素晴らしかったですね。ケヴィン・スペイシーの恐怖の存在でありながら父親のような存在感や目を合わせたら因縁をつけてきそうな怖さのジェイミー・フォックスのハマり具合。そしてベイビーの理解者にもなりえたかも知れないけど、絶対に相容れることのない男である「バディ」を演じたジョン・ハムが若手であるアンセル・エルゴートを作中同様引っ張っていきます。

 総じて音楽と車が織りなすミュージカルで楽しませてくれる本作は、それだけでなく脚本も密に練りこまれており、ある青年の成長譚としても楽しめる一作になっています。是非ご鑑賞下さい。