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マッドマックス/サンダードーム(1985年製作の映画)上映時間:107分

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評価【★★★☆☆】3.1/5点満点中

監督
 ジョージ・ミラー
 ジョージ・オギルヴィー
脚本
 ジョージ・ミラー
 テリー・ヘイズ
出演者
 メル・ギブソン
 ティナ・ターナー
 アンジェロ・ロシット  他…

 

あらすじ

 核戦争により世界が灰と化して15年。女帝アウンティ・エンティティの支配する街ではサンダードームで開かれる一対一の死闘に熱狂していた。戦士を求めていたアウンティの罠に落ちたマックス。彼を待ち受けていたのは、最強の怪人マスター・ブラスターとの命を賭けた闘いだった!

総評

 マッドマックスシリーズの第三弾。なんでこうなったんだという疑問符が浮かんでしまう本作。実は本作の最後に「バイロンに捧ぐ」というカットが入ります。これがこの映画のポイントなんです。マッドマックスシリーズは1,2共にジョージ・ミラーバイロンケネディのコンビによる共作で、前2作の大ヒットを受けてオーストラリアから海外にまで名前が轟き始めた時、ロケハン中の事故でバイロンはこの世を去ってしまいます。失意のミラーは、かつて共に仕事をしたジョージ・オギルヴィーを呼びドラマ部分の大半を彼に撮らせ、自分はクライマックスのチェイスシーンだけにとどまったのです。何とかかんとか作り上げられたのが本作なのです。だからでしょうか、サンダードームはそれまでの方向性からは離れた印象になってしまいました。

 本シリーズと子供の食い合わせは悪く、子供が出てくるシーンはなんかもうお腹いっぱいという感じになります。メル・ギブソンの当時のイメージとしては良かったのかもしれませんが、荒廃した世界で水が潤沢にある村からわざわざ出ていく理由が分かりません。また今作の敵役であるアイアンバーもしぶとさが裏目に出ている感じです。爆破されても、汽車から落とされても生きていたという描写は失笑してしまいます。

 ティナ・ターナーの存在感はポスター同様印象的でした。バカみたいに見える服装も着こなし、高笑いするクライマックスは貫禄のある女ボスを見事に演じ切ったラストと言え、ここは必見です。

 総じて傷心中に製作されただけの事はあり、ややブレブレな印象の作品です。ですが、ここからあの大名作「怒りのデス・ロード」へと続くのですからシリーズものは何があったもんかわかりませんね。