評価【★★★★☆】4.5/5点満点中
監督
フランシス・フォード・コッポラ
脚本
フランシス・フォード・コッポラ
マリオ・プーゾ
出演者
マーロン・ブランド
アル・パチーノ
ジェームズ・カーン
ジョン・カザール 他…
あらすじ
信頼が厚く絶大な権力を持つアメリカ・マフィアのボス。ビジネスの陳情を断られた組織が、彼を襲撃し権力闘争の挑戦状を叩きつける。ファミリーで唯一堅気だった末息子は、父の命が狙われたことに心火を燃やす。
総評
堅気だった男が、ファミリーに戻りやがて組織のボスになるというストーリーライン。175分の長尺にも関わらず、最後まで集中してみることができました。
冒頭の結婚披露宴シーン、葬儀屋ボナセーラのアップからカメラはゆっくり引いていき、マーロン・ブランド演じるドン・ビト・コルレオーネの後ろ姿のシルエットが徐々に現れる。そしてようやくコルレオーネの顔が写し出され、その威厳に満ちた姿に圧倒されます。結婚式というファミリーが集まる場で一方では宴会が開かれ、歌や踊りにあふれている中、一方ではドンに次から次へと仕事の相談が来て、信頼と畏れを抱かれていることが分かります。
この作品を見るとどれだけの人物がマーロン・ブランド扮するドンに支えられてきたのかが分かります。「ドンがいてくれること」それだけで安心感があるのです。
それだけに孫と戯れながら亡くなってしまうシーンには喪失感が大きなものになっています。また物語としても、温かみが無くなり急速に動いていきます。
あまりにもこの映画が残した影響が大きく、マフィアといえばこれという印象を残しているのはもちろんのこと、出演したアル・パチーノの出世作でもあります。
描かれているのが「マフィア礼賛」ではないかという指摘も当時はあったようですが、トンデモない。この映画で描かれているのは終始裏切りと殺しにあふれた裏社会でありそこにせっかく堅気だった男がずぶずぶに入っていく悲しさがあります。
総じて、テーマ曲を聴いて、それが「ゴッドファーザー」であることが分かる皆様の中にも、見たことがない方がいらっしゃるかもしれませんが、ストーリー、カメラワーク、音楽全てがマッチした作品になっています。是非一度はご鑑賞下さい。