暗数殺人(2018年製作の映画)上映時間:110分
評価【★★★☆☆】3.8/5点満点中
監督
キム・テギュン
脚本
キム・テギュン
クァク・キョンテク
出演者
キム・ユンソク
チュ・ジフン
チン・ソンギュ 他…
あらすじ
「7人だ。俺が殺したのは全部で7人。」キム・ヒョンミン刑事(キム・ユンソク)は、恋人を殺害し逮捕されたカン・テオ(チュ・ジフン)から突然の告白を受ける。しかし、テオの証言のほかに一切証拠はない。そもそも彼は、何故自らそのような告白を始めたのか?警察内部でもテオの自白をまともに相手をする者がいない中、ヒョンミンは直感的にテオの言葉が真実であると確信。上層部の反対を押し切り捜査を進めてゆく。そしてついに、テオの証言どおり白骨化した死体が発見されるのだが、テオは突然「俺は死体を運んだだけだ」と今までの証言をくつがえす。「どういうことだ!?」テオの言葉に翻弄されてゆくヒョンミン。果たして残る死体は存在するのか?テオの目的は一体?
フィルマークスよりあらすじ抜粋
総評
実際に起きた事件を基にして作られた本作。
口がうまく刑事を翻弄するテオと人知れず弔うこともされぬまま殺された人を悼み執念で捜査する刑事ヒョンミンとの攻防が本作の緊迫感を作り出しています。
事件の目撃者から聞き込みを行い、現場を捜索して証拠品を探していく等。天才的な探偵のいない本作は、事実を基にしているからこそ地道で地味な捜査を展開します。
しかしそここそが警察をテーマにした映画の、リアルな面白さが詰まっています。
故にそんな地道な努力を一瞬で打ち砕くテオの狡猾さが際立っており、観客のテオへのヘイトが集まるようになっています。
そんなヘイトが集まった中での、クライマックス。決定的な証人を突き付けられ、テオの表情が一気に変わる場面は、爽快感とも異なる「やっとこいつが裁かれる日が来たのか」という安堵感が漂います。
最後にまだ見つからない「暗数殺人」を今も捜査しているというところで、物語が終わり、まだ事件は続いているのだとヘビーな気持ちにさせられます。
「暗数殺人」というタイトルに掲げられたテーマが終始一貫している見事な映画でした。110分とちょうど良い長さなので、ぜひ一度ご鑑賞下さい。