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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス 上映時間:126分

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評価【★★★★☆】4.5/5点満点中

 

監督
 サム・ライミ
原作
 スティーヴ・ディッコ
 スタン・リー
出演者
 ベネディクト・カンバーバッチ
 エリザベス・オルセン  他…

 

あらすじ

 マルチ・バースという無数のパラレルワールドからアメリカ・チャベスという名の少女がドクターストレンジの前に現れる。アメリカ・チャベスの能力はパラレルワールドを行き来できる力。その力を狙うのは、子供を喪い悲嘆に暮れる”スカーレットウィッチ”こと、ワンダだった。

総評

 最高に”マッドネス”な体験でした。事前にいうと、最低限「ドクター・ストレンジ」とドラマ「ワンダ・ヴィジョン」は見ておくことをお勧めします。

 ホラー映画を撮っていたサム・ライミ監督の持ち味が今回発揮されていました。キー!という高音を使った音楽やジャンプスケア、ゴア要素も含めてホラー要素を詰め込みまくっています。そうなんです。マーベル作品でごくわずかだったゴア描写が多いのです。そこが新鮮で見ているこちらもどんどんドライブさせられました。死霊のはらわたオマージュのシーンもあり、ホラー映画好きにはにやりとさせてくれます。

 ドラマ要素も良かったです。本作で一貫しているのは”自分は幸せか”というテーマです。マルチバースというパラレルワールドを通して、”実はこうだったら”、”こうならなければ幸せだったかも”という世界を表現してくれているので、たった一つの幸せを追い求めるとどうなるのか。その結果を見せることで、キャラクターに理想と現実を嫌でも見せつけてきます。

 ワンダが別の世界の息子たちにおびえられるシーンはどんなに追い求めても得られないものを見せつけられるのに対して、ストレンジが、自分自身の恐れ、弱さに向き合い素直に伝えることで、別の世界のクリスティーンに愛を伝えるという対比になっていることもこの映画をすっきりとした終わり方にしています。

 総じてドクターストレンジ2として、前作以上に奇妙な体験をサムライミ色強めに出してくれており、原作を知らなくても目に楽しく、原作を知っていると尚深堀できる一作になっています。音響も素晴らしいので、是非環境の整った映画館での視聴をお勧めです。是非ご鑑賞下さい。