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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)上映時間:137分

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評価【★★★★☆】4.2/5点満点中

監督
 吉田恵輔
原作
 新井英樹
出演者
 安田顕
 ナッツ・シトイ
 木野花  他…

あらすじ
とある田舎の農村でよく言えば純朴、悪く言えば非モテの42歳宍戸岩男は、年老いた父と女性に対して古き固定観念をもつ母、ツルの三人暮らしだ。
一世一代の恋に玉砕し、家を飛び出した岩男は、貯金した300万円をはたき嫁探しツアーにフィリピンにいた。
そこで岩男は半ば自暴自棄になって貧しい漁村に生まれたフィリピーナ、アイリーンを嫁に選ぶ。
岩男が久方ぶりの帰省を果たすと、父の源造は亡くなり、実家はまさに葬儀の只中だった。そんな中岩男の陰から現れたのは、異国の女性アイリーン。
これまで恋愛も知らずに生きてきた大事な一人息子が、見ず知らずのフィリピーナを嫁にもらったと聞いて激昂するツル。
果たして、言葉も通じず、不器用な二人のヴァージンロードはどのような結果を迎えるのか。

総評
前半のアイリーンと岩男が出会い、そして心を通わせ始めるところまでは、軽快な雰囲気と共に笑ってしまうようなやり取りが続くものの、やくざ者の塩崎を殺害してしまってからは、季節に合わせるかのように映画が急激に変化していきます。
恐怖と不安を共有する者同士として、傷をなめあうかのように岩男とアイリーンの距離が近づきながらも当然、事件を追求され追い込まれていく宍戸家。
感情をむき出しにして、アイリーンとののしりあうツルのシーンはまさに迫真の演技でした。

アイリーン役のナッツ・シトイさんの無邪気に見えるようで英語やタガログ語ではしっかりとした女性であることを絶妙に演じているので、一見です。

田舎の閉塞感、フィリピン人嫁問題等、国際結婚の抱える闇をすべて詰め込んだような作品。
名作です。