評価【★★★★☆】4.4/5点満点中
監督
ダニー・ボイル
脚本
リチャード・カーティス
出演者
ヒメーシュ・パテル
リリー・ジェームズ 他…
あらすじ
ジャックは、イギリスの小さな海辺の町に住む、悩めるシンガーソングライター。
幼なじみで親友のエリーから献身的に支えられているもののまったく売れず、音楽で有名になりたいという夢に限界を感じていた。そんな時、世界規模で瞬間的な停電が起こり、彼は交通事故に遭う。昏睡状態から目を覚ますと、この世には史上最も有名なバンド、ザ・ビートルズが存在していなかったことになっていることに気づくが・・・。
総評
一応作品の肝となるネタバレアリです。
もしビートルズが存在しなかったら、どんなにさみしかっただろう。
主人公ジャックはビートルズを知っている人物として、はじめはそれを自分の欲望のために使用します。作曲能力のなかった彼はビートルズの曲を使用して一気にスターダムを駆け上ります。しかし、ビートルズの曲は知っていてもなぜその歌詞にしたのかまでは知らない彼はどんどん追い込まれていきます。ついには、大切な女性であるエリーともすれ違うようになり…。ついには、LIVEでHELPを絶叫するシーンにつながります。
もしビートルズがなかったらという世界は、確かにさみしいものではありますが、この作品とジャックの救いのシーンとなる、ビートルズがないってことは、ジョンレノンも生きているってことだよね、という場面はもちろん賛否は分かれると思いますが、私は号泣してしまいました。
ビートルズのない世界で、ジャックは暮らしていくこととなりますが、「オブラディオブラダ人生は続く」という歌詞の通り、ビートルズの残した曲と共に過ごしていくのでしょう。彼らの曲を後世に伝えていく伝道師として。
総じて、異世界転生ものに近い本作ですが、ファンタジーとして起承転結がきれいに完結しており、おすすめの一作となりました。ビートルズの音楽ももちろんふんだんに使用され、気持ちを盛り上げてくれる良作です。