評価【★★★☆☆】3.5/5点満点中
監督
ジェームズ・キャメロン
脚本
ジェームズ・キャメロン
出演者
サム・ワーシントン
ゾーイ・サルダナ
シガニー・ウィーバー 他…
あらすじ
22世紀、人類は地球から遠く離れたパンドラで<アバター計画>に着手していた。この星の先住民ナヴィと人間のDNAを組み合わせた肉体<アバター>を創ることで、有毒な大気の問題をクリアし、莫大な利益をもたらす鉱物を採掘しようというのだ。この計画に参加した元兵士ジェイクは車椅子の身だったが、<アバター>を得て体の自由を取り戻す。パンドラの地に降り立ち、ナヴィの族長の娘ネイティリと恋に落ちるジェイク。しかし彼はパンドラの生命を脅かす任務に疑問を抱き、この星の運命を決する選択を強いられていく……。
Amazonよりあらすじ抜粋
総評
ジェームズ・キャメロン作。何部作とつづけるつもりか今やだれにもわからなくなった「アバター」シリーズ、その第2弾「ウェイ・オブ・ウォーター」が今月12月16日に公開するのにあたって、一度も見ていなかった「アバター」を初鑑賞しました。
世界歴代興行収入NO1を樹立し、一度は「アベンジャーズ エンドゲーム」に越されるも、中国での上映開始に伴い、再度1位に返り咲いたというとんでもない記録を持っています。
本作を一言で表現するなら、「ネイティブアメリカンとアメリカ開拓民の争い」でしょうか。史実では白人によって蹂躙され、追いやられたネイティブアメリカン達ですが、本作でも劇中中盤までナヴィ達は白人の使用する兵器によって住むところを追われてしまいます。しかし、そこから主人公たちが反旗を翻しナヴィ達の民族を統一し、見事白人部隊を撃退するというストーリーになっています。ここがこの映画の肝ともいえるでしょう。単純明快なストーリーの中にも明らかに米軍、アメリカの負の歴史を批判して見せています。
また主人公が身体障害者というのも本作が持つ明るい雰囲気を補助しています。常に枷がある現実の体と違い、アバターを使用した際には自由に動き回り、走ることができます。そして人間とは違い、身体的にも精神的にも自然や生物と共感できるナヴィ達へ敬意を向ける様になります。我々観客も映画を見ていく中で、はじめは野蛮に思えたナヴィ達が豊かな民族に思えてくる様になるのです。
総じてファンタジー、SFの要素と西部劇そして戦争映画とをミックスさせ作り上げられたジェームズ・キャメロンの頭の中をそっくりそのまま絵にしたような世界観に圧倒させられる一本です。ストーリーは単純明快で、オチも想像通りの作品ではありますが、どこか爽快感のある作品になっています。予習もかねて是非一度ご鑑賞下さい。
(そして一目見れば本作が13年前の作品とは思えない高いCG技術に驚けるはずです。)