ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)上映時間:70分
評価【★★★☆☆】3.8/5点満点中
監督
山口淳太
脚本
上田誠
出演者
土佐和成
朝倉あき
藤谷理子
角田貴志
石田剛太 他…
あらすじ
とある雑居ビルの2階。カトウがギターを弾こうとしていると、テレビの中から声がする。見ると、画面には自分の顔。しかもこちらに向かって話しかけている。「オレは、未来のオレ。2分後のオレ」。どうやらカトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、2分の時差で繋がっているらしい。“タイムテレビ”の存在を知り、もっと先の未来を知ろうと躍起になる仲間たち。さらにカトウの意中の相手メグミや5階に事務所を構えるヤミ金業者、カフェに訪れた謎の2人組も巻き込み、「時間的ハウリング」は無限ループに陥っていく......。
フィルマークスよりあらすじ抜粋
総評
ヨーロッパ企画らしいアイデア一発勝負の映画!ながら、特賞効果は使わずワンカットで見せる2分間のタイムマシンにグイグイ引き込まれます。
2分間のタイムマシンという設定も良く、答えあわせがすぐに訪れるので、はじめのうちは何が起こっているのか視聴者にもわかりやすく説明されます。ドロステレビの画面を向かい合わせにするところからは、「これ絶対やったらあかんやつや」と思いながらも、2分後以降の未来が見られるようになり、どんな展開が訪れるのかという未来予測を視聴者にもさせてきます。そして、数々の伏線が回収されていくクライマックス。ややチープな絵面ながらも、リズミカルに救出劇を行うのは気持ちが良かったですね。
ただ一点気になるところとしては、劇中でお金を見つけるシーンがあるのですが、そこにお金がある事は誰からの情報で知りえたのでしょうか。また暴力団の一連の流れも誰からの情報で?あれ?っと冷静になると疑問符が浮かびあがりますが、まぁ些細な事なので、良しとしましょう。
総じて足りない予算をアイデアとカメラワークで見事に完成させている作品であるといえます。未来に操られるように行動するのではなく、自分の意志で決断するラストも良いですね。70分という時間も相まって見やすい作品になっていると思います。是非ご鑑賞下さい。