映画愛が足りないブログ

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26世紀青年(2006年製作の映画)上映時間:85分

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評価【★★★☆☆】3.7/5点満点中

監督
 マイク・ジャッジ
脚本
 マイク・ジャッジ
 イータン・コーエン
出演者
 ルーク・ウィルソン
 マーヤ・ルドルフ  他…

 

あらすじ

 “平均のアメリカ人”の典型、兵卒のジョー・バウアーズ。彼は、米国国防総省から、極秘の冬眠プログラムの実験台に選ばれた。忘れられ時は過ぎ、彼は未来の500年後に目が覚める。あまりにレベルが下がった合衆国で、生きている人間のなかで最もインテリな人間になっていたのだ。

総評

 バカバカしいと終わらせることなかれ、現にこんな時代が差し迫っているかもしれません。現に少子化は進む一方で日本では15歳以下は全体の12%になってしまっています。

 本作の序盤で描かれたいたIQの高い家庭では、経済やタイミングを理由に、妊娠することを後回しにしていたら子孫を残せず死んでしまい、一方学のない低所得の家族の方はどんどん子供を作っていきます。そんなことが繰り返された結果、全アメリカ人がアホになってしまったのが、この世界です。そんなきつめのブラックジョークからスタートします。

 未来の人々の生活は破綻しています。ゴミが山の様に積まれ、ゲータレードを水代わりにして洗車や作物を育てることに使ったり、裁判や病院などの重要機関が機能していないのはもちろんのこと、政府ですら元プロレスラー兼ポルノ男優という国民の人気ものが大統領になっているのです。・・・程度に差はあれどこれって現実とも変わらないのでは?と、このように現実を皮肉った辛辣な作品になっています。

 しかし、そんな本作ですが絶望で終わっていないのは、主人公が軌道修正をしたことで、まだやり直せるという余地を残していることです。未来の人間は良いか悪いか「アホ」なだけなので、これから本を読み、勉強をすることで大きくはなくても少しは変っていくだろうというところで本作は幕を閉じます。

 総じて現実を皮肉って笑いに変えている本作ですが、その皮肉具合が痛烈で我々を刺してくる一作になっています。SDGsとか色々言われていますが、本作を観ることで得られる教訓もあるはずです。