評価【★★★☆☆】3.5/5点満点中
監督
ロジャー・スポティスウッド
脚本
ブルース・フィアスティン
出演者
ピアース・ブロスナン
ジョナサン・プライス
ミシェル・ヨー 他…
あらすじ
世界の情報を操作し、第三次世界大戦を誘発させようと画策するメディア王カーバー。ボンドは中国とイギリスの衝突を阻止すべく、カーバーの元へ潜入。そこで出会った女スパイウェイ・リンと共に、ボンドは巨悪に立ち向かう
総評
007シリーズ第18弾。本作の敵は、メディア王。冷戦後の007の敵の作り方がいかに難しかったかを象徴するような敵です。
良いところとしては、ブロスナンボンドの特徴ともいえるのですが、ギミック満載のガジェットを駆使するところでしょう。携帯電話にボンドカーを遠隔操作させるというシーンは、ボンドの器用さとチャーミングさを両方併せ持ち、アクションに目を見張りながらもどこか笑える作りになっています。
またボンドガールであるミシェル・ヨーもボンド以上のアクションシーンを見せてくれます。ジャッキーチェンさながら周囲のものを使用しながらのアクションや飛び降りなど体を張った演技でシリーズの中でも守られる存在ではなく、バディとしての存在を強めています。二人で前に行き、後ろに行きのバイクシーンは見事の一言です。
しかし悪いところもあり。敵の魅力があまりないところでしょうか。当時としてはメディア王が悪の親玉というのは珍しかったのかもしれませんが、今見ると「なんでこの人はそんなことしとんの?」と疑問符が湧いてきます。ジョナサン・プライスもカンフーの物まねをするところは好きですが、悪の親玉というよりも隣の家のおっさん感が否めません。最後は出た瞬間から「ああこのドリルでやられるんだろうな」と思っていた期待通りやられてくれました。「メディアの基本だよ」
そのほか、片腕でマシンガンを打ちまくる姿やボロ小屋が実はハイテク基地でしたの時の真っ赤なパソコンなど随所にツッコミどころはありますが、まぁ007なのでいいでしょう。オープニングのスケルトン表現は時代だなぁと思わせてくれ、ノスタルジーに浸れるのでOPだけでも見てみてください。(そういっていつも最後まで見てしまうのですが。)