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ブラック・レイン(1989年製作の映画)上映時間:125分

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評価【★★★★☆】4.0/5点満点中

監督
 リドリー・スコット
脚本
 クレイグ・ボロティン
 ウォーレン・ルイス
出演者
 マイケル・ダグラス
 高倉健
 アンディ・ガルシア
 松田優作     他…

 

あらすじ

 ニューヨーク市警の刑事ニックとチャーリーはヤクザの佐藤を逮捕し、日本に連行する。しかし目的地の大阪に到着するなり、佐藤が仲間の手によって逃亡。言葉も通じない国で困惑しながらも、ニックとチャーリーは佐藤の追跡に乗り出す。そんなふたりを監視するベテランの松本警部補。やがてチャーリーが佐藤に惨殺されるという事態に。復讐に燃えるニックは松本とともに佐藤を追う。

総評

 ”完”で終わる映画はいい映画ですねぇ。まずこの映画を紹介する時に忘れてはいけないのが豪華な顔ぶれです。監督は「ブレード・ランナー」のリドリー・スコット、撮影監督には後に「スピード」を撮るヤン・デ・ポン。演じるはマイケル・ダグラス高倉健アンディ・ガルシア松田優作そして若山富三郎もいます。極めつけに音楽はハンス・ジマーときたもので、まさしく80年代を代表する映画になっています。

 この映画で特徴的なのは、まるでブレードランナーのセットがそのまま街になったかのように大阪の町を撮る監督の手腕でしょう。ネオンに彩られたコンクリートジャングルをさながら近未来都市かのように映したかに思えば、漁港や製鉄所などの汚れた町を映し出しており、一言で言うと日本がかっこいいのです。ブレードランナーで感じた日本ってかっこいいのではという感覚を本作でも今度は直に味わうことが出来ます。

 かっこいいのは、都市だけではありません。なんといっても松田優作。序盤のバー襲撃シーンで、少し間を置いた後に「え?」といった時の迫力が目から離れず、真似したくなるほどです。その後も登場シーン自体は少ないながらも存在感を発揮しています。それだけに本作が遺作になってしまったことが残念でなりません。

また高倉健もまさしく日本人を代表するような絵にかいたような堅物を演じるのには彼以外他にいなかったでしょう。難しい英語も流暢に話ながら役にも入り切っていました。

 ストーリーも良かったですね。ニューヨークの荒くれ刑事のニックと大阪の堅物刑事松本が徐々に友情をはぐくんでいき、犯人逮捕に全力を挙げる。その中で、一度は過ちを犯してしまったニックに、それは亡くなったチャーリーと自分を落とす行為であると優しさと厳しさを持ちながら接し、諭すシーンはジーンと来るものがありました。

そんな二人がラスト空港で交わすやり取りには思わずこちらも松本の様にしてやられたぁとなります。

 総じて当時日本バッシングもあったであろう時期にこれだけの日米協力映画を作ってくれたリドリー・スコットと、印象的な演技を残してくれた俳優陣に感謝したいそんな一本になりました。自分も上司から詰められた時には、佐藤の様に「はいっ」と正面を切って返したいものです。(できるかい)