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ほんとうに映った!監死カメラ3(2013年製作の映画)上映時間:77分

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評価【★★★☆☆】3.0/5点満点中

監督
 福田陽平

 

あらすじ

 監死カメラシリーズ第3弾。オムニバス方式で監視カメラに映った心霊現象を紹介。

今作は監視カメラの他、ステージ映像での不可解な現象も取材する。

 

総評

 オムニバス方式で監視カメラに映った心霊現象を紹介する本作。本レビューでは特に気になったところを紹介していきます。

「幽霊メイド」

 どう見ても幽霊にしか見えないメイドが映っているという監視カメラの映像を基に、調査をしたところ、なんと幽霊ではなく実在の人物。(映像を見る限り全く動いていないので、幽霊と思っても仕方がないのですが。)エリーと名乗る彼女は病気がちであまり秋葉原には来れないが、どうしてもメイドになりたいという事で、月に数回秋葉原に来てはカラオケなどでお客に奉仕するフリーのメイドであるとの事でした。

 取材陣も取材場所のカラオケ店で実際に奉仕するところを見て、メイドにあこがれる少女であることを認識し、その場は解散となる。(この時エリーがやる「おいしくなる魔法」は元気いっぱいなのですが、やり終わった途端真顔に戻るのでどうした、どうしたと不安になること請け合いです。)

 が、後日エリーと連絡が取れないことに疑問を持ったスタッフの元に、動画の投稿者からその後もエリーが映っている映像があるといわれ、見てみると確かにエリーの姿が見えるのですが、車が前を通った途端消えてしまうという不可解なものでした。エリーの実家に連絡を取ると、エリーは入院中という事で秋葉原に行くことは不可能だったことが判明。あの映像に映っていたのは、彼女の生霊とでも言うのだろうかというところで物語は終わります。

 そもそも最初の映像が心霊現象ではないという時点でツッコミどころなのですが、実際に現れた人物もなんだその設定という感じです。とまぁ本人のアクが強いので、生霊の映像を見せられても「はぁ、そうですか」となってしまいました。

「地下アイドル」

 地下アイドルのイベントステージの映像で心霊現象がうつっているという投稿をした主催者の「I・I」氏。確かに氏の言う通りステージの舞台袖でゆっくりと顔を見上げるようにして女性が映りこんでいるのが分かった。「I・I 」氏によるとステージに出演していた霊感を持つというアイドル、「ゆ☆みこ」を事務所に呼ぶことにする。

「ゆ☆みこ」は占いができるといい、スタッフの一人である「金田もえ」を占う。

どう見ても「カネダ」だが、「キンタ」と呼んでおりえらくそこが気になるが、誰もツッコミを入れていません。

「ゆ☆みこ」によると5年前の恋愛を引きずり、負のオーラが漂っている、それ以来男運が悪いので、髪型を明るくする様に薦める。

 どうやら「ゆ☆みこ」の霊感によると、あの女性の霊は中学時代の同級生で紗季さんという子で自分にとってファン1号であり、慕われていたが事故で亡くなってしまったとの事である。

 あの映像を見た人、特に女性は影響を受けやすいという事で「ゆ☆みこ」はお祓いを行う。後日スタッフは紗季さんの調査を開始すると、亡くなっていたはずの紗季さんのSNSアカウントを発見してしまう。

 スタッフは実際に紗季さんとコンタクトを取ることに成功する。紗季さんによると、「ゆ☆みこ」とは同級生であったものの、特に仲良くなかったどころか、「ゆ☆みこ」は暗くて虐められていたことが判明した。また、紗季さんは当時芸能活動をしており、周りから応援されていたことから、むしろ立場は逆なのではないかという話になってしまう。

 スタッフは事務所で再び「ゆ☆みこ」に話を聞く。最初はスタッフを気遣い「皆さん大丈夫ですか?」といっているが、もはや白々しい感じにしか見えない。紗季さんは亡くなってなどいないことを説明すると「ゆ☆みこ」もだんだん歯切れが悪くなっていく。別室で待機していた紗季さんを連れてこられると、アイドルの設定とか言い出し、ごまかそうとする。紗季さんから迷惑であること、そして当時虐められていた「ゆ☆みこ」から矛先が移り自殺した子に似ていることを指摘されると、「ゆ☆みこ」は突然「ギャー」と叫び部屋から出てしまう。紗季さんによると、「ゆ☆みこ」は仲が良かった子の悪い噂を流し、自分のいじめの矛先をその子に移したので、その子から恨まられているのではないかというところで、物語が終わります。

 心霊映画を見ていたはずなのに、怖いというよりも痛々しい気持ちにさせられるとは。物語も前後編に分けて作られているのですが、そのほとんどが「ゆ☆みこ」の嘘を暴く為の動きなので、最初の心霊現象のことはまじで頭から抜けてしまいました。最後とってつけたように霊のネタばらしがあるのですが、そんな些細な事が気にならなくなる様な物語になっています。

 総じて心霊映画としてはじめは直球勝負で来ているのですが、上記の二つの物語の印象が強く、それが本作の印象を大きく変えていると思います。プライムで見放題対象なので、暑い夏を冷やすため(痛々しさを見るため)に見てみてはいかがでしょうか。