映画愛が足りないブログ

映画愛が足りない映画ブログです。

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)上映時間:119分

公式サイトはこちら

評価【★★★★☆】4.2/5点満点中

監督
 タイカ・ワイティティ
脚本
 タイカ・ワイティティ
出演者
 クリス・ヘムズワース
 テッサ・トンプソン
 ナタリー・ポートマン
 クリスチャン・ベイル  他…

 

あらすじ

 娘を見殺しにされ、神への復讐を誓う男「ゴア」が現れ、次々と神を殺していく。

サノスとの激戦後、多くを失ったソーは、自分を見つめなおす日々を送っていた。ゴアの出現に駆け付けたソーの前に元恋人のジェーンがムジョルニアを手に「マイティ・ソー」となって現れた。ジェーンに対していまだ未練を抱いていたソーは、浮き立つ気持ちを抑えながら、新たな「マイティ・ソー」となったジェーンとタッグを組み、ゴアに立ち向かうことになる。

総評

 ネタバレアリにつき閲覧注意。

 「マイティ・ソー」から続く「ソーシリーズ」の第4弾。前作に引き続きタイカ・ワイティティが本作の監督を務めます。

 結論から言うと、まさかソーで泣かされることになるとはという感想です。本作はシリアスとコメディのバランスが絶妙で、そのシリアスの役割を一挙に担っているのがクリスチャン・ベイル演じるゴアなのですが、彼の出てくるシーンは軒並み良いです。よかったのが、序盤のゴアの娘が亡くなるシーン、表情と声色で悲しみを表現しており、また見放した神への怒りで黒いよだれを垂らしながら怒るシーンはまさしく迫真の演技といえるでしょう。またラスト付近の場面、神に見捨てられ娘を失ったゴアと、神でありながら子供を信じ子供を味方につけたソーとの対比はこちらの胸を打ち、思わず涙がこぼれました。

 とはいえ前述の通りシリアス一辺倒にならないのが本作。全能の神ゼウスを演じるラッセル・クロウの威厳と頼りなさとが組み合わさり笑いを誘います。またまるで不倫現場を目撃されたかの様なソーと彼の武器ストームブレイカーのやり取りも夫婦漫才の様でした。

 ガンズ&ローゼスの音楽も効果的でした。本作の雰囲気を象徴しているかのような序盤の「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」で場内を盛り上げ、中盤「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」で突き抜けていく感じはカラフルな映画と相まって非常に良い引用だったのではないでしょうか。(ヘイムダルの息子が「アクセル」と自称しているのも笑いどころです。)

 最後ラブ&サンダーのタイトルが二人の通り名だとわかるシーンは、あのソーも父親になったんだなぁと感慨深いシーンでした。

 総じて「ソー ラグナロク」の続編として、また「エンドゲーム」の地続きの物語として今後のマーベルユニバースの広がりを感じさせる一作であり、笑いあり涙ありの充実したエンタメ作品になっています。カラフルな映像を楽しんでいただきたいので、画質の良い映画館での視聴をお勧めします。