評価【★★★☆☆】3.5/5点満点中
監督
ルイス・ギルバート
脚本
ロアルド・ダール
出演者
ショーン・コネリー
若林映子
浜美枝
丹波哲郎 他…
あらすじ
米ソの宇宙カプセルが謎のロケットに捕獲され、軌道上から姿を消す事件が続発。
イギリス謀報部はその妨害ロケットの基地が日本にあることを突き止める。007ことジェームズボンドは、死んだと敵に誤認させ秘密裏に日本に潜入することになる。
総評
トンデモスパイ007シリーズの第5弾。
ホテルニューオータニ、銀座など、東京の慣れ親しんだ風景と今はない風景が出てきて観る日本人の心をどこか訴えかけさせられる一作です。地下鉄が作戦司令部になっているというのも日本らしいですね。ただ、行き過ぎた日本描写(もちろん姫路城をバックにした忍者部隊)などもあり、ところどころ失笑させられますが。
※どうやら姫路城は本作の撮影で白壁を傷つけられ、以降映画の撮影を原則禁止にしたとか。(現在は違うようです)
また、ボンドカーがトヨタの2000GTというのも日本らしさを後押ししています。国産初のスーパーカーといわれるだけはあり、他のボンドカーとそん色のない美しいデザインになっています。
そしてついに007の仇敵であるブロフェルドも登場。いかにも”悪”という感じの見た目で登場し、本作のエンタメ性をグッと引き立たせています。最後は阿蘇山内部の巨大基地で大乱闘。盛りだくさんの内容で、物語が締めくくられます。
相棒となる丹波哲郎に若林映子、浜美枝のキングコング組もボンドガールとして、きらりと光る演技をしています。主役のショーンコネリーも油がのった時期で楽しんでこの役を演じたのではないでしょうか。
総じてトンデモな日本描写は随所にあるものの、懐かしさを感じさせる東京の街並みや後のロジャームーア版のような”007らしさ”にあふれた映画です。懐かしい気持ちに浸りたい時のボンドとしておすすめです。