評価【★★★★☆】4.3/5点満点中
監督
ライアン・クーグラー
出演者
マイケル・B・ジョーダン
シルヴェスター・スタローン
テッサ・トンプソン 他…
あらすじ
元ヘビー級王者アポロ・クリードの愛人の息子アドニス・クリードは、生まれる前に死んだ父の影を追い求めて生きている。その体に流れるファイターとしての血が彼を動かし、全てを捨ててフィラデルフィアへとやってくる。かつて父と歴史に残る激闘を繰り広げたロッキーを探し出し、トレーナーを依頼するためだ。
一度は断るロッキーだが、親友アポロの面影を残し、固い決意を曲げないクリードに根気負けし、トレーナーとなる。果たしてバディとなったロッキーとクリードに現チャンピオンからの挑戦依頼がやってくる…。
総評
ロッキーファイナルで、大団円で終わったロッキーシリーズの続編を作ることに意味があるのかという問いに対し、本作はクリードというロッキーに負けないキャラクターを創造することで解決しています。
ロッキーが落ちぶれていたボクサーだとしたら、クリードは生まれこそ孤児院でしたが、裕福な暮らしに証券マンの仕事と、成功を収めている状態からスタートしています。そんな恵まれた状態にもかかわらず、Youtubeで亡き父アポロとロッキーの試合を見て、シャドーボクシングをする。この過去の栄光が語られ続けている中で、「俺だって」と観客に意思表明するかのようなシーンはとても印象的です。
フィラデルフィアの男でなかったクリードが成長するにつれ、町が認め彼を応援し、並走するシーンは胸が熱くなります。
そして何よりも72歳とは思えないガッツで、見る人を熱くしてくれたスタローンの演技にも注目です。皆さん、スタローンをバカにする風潮はどこかありませんか?今回は前作ロッキー・ザファイナル以上に渋くまた弱さも見せるという絶妙な演技をしてくれています。クリードとのバディとして主役に劣らぬ映画への影響力を感じさせます。
総じて、クリードという新たな主人公、しかも文句なしの主人公を作ってくれたライアン・クーグラーに感謝を。そして、老いてなお映画界に存在感を放ち続けるスタローンに拍手を送りたくなる映画です。