トロン(1982年製作の映画)上映時間:98分
評価【★★★☆☆】3.5/5点満点中
監督
スティーヴン・リズバーガー
出演者
ジェフ・ブリッジス
ブルース・ボックスライトナー
デヴィッド・ワーナー 他…
あらすじ
優秀なビデオゲーム開発者のフリン(ジェフ・ブリッジス)が元雇い主のコンピュータにハッキングすると、彼は自らが開発したゲームの中に取り込まれ、デジタルの世界を飛び回ることに!デジタル世界でのフリンの使命は、マスター・コントロール・プログラム(MCP)と頭脳戦をし、トロンと協力してデジタル世界に調和をもたらすことだ。
フィルマークスよりあらすじ抜粋
総評
1982年にコンピュータの中の世界を作り上げたことがすごいという作品です。
手書きのアニメや舞台装置は使われてはいますが、CG部分が15分とこの頃の映像作品としては、破格の長さで描かれており、まだ稚拙ながらも、CGでコンピュータ世界を見事に表現している作品といえます。また、プログラムに人格を持たせている点も今作が走りといえるでしょう。
コンピュータ世界の特徴として、青とオレンジの蛍光色が常に光り続けているのも
観ていて気持ちが良く、光と闇とを際立たせており、演出がうまいと感じさせます。
ストーリーは平凡で、特筆するような感じはなく、当時大人気だったスターウォーズ的な作品の一つであるといえますが、現実世界とコンピュータ世界という点が斬新だったのでしょう。最後の大ボスの巨大な顔には思わず失笑しましたが。
総じて、当時のCGは今見ると、稚拙に感じるかもしれませんが、電脳世界の描き方が非常に印象的で美しく、それだけで見る価値がある一本といえます。続編の「トロン:レガシー」と併せて一度ご鑑賞下さい。
ブルー・アンブレラ(2013年製作の映画)上映時間:6分
評価【★★★☆☆】3.5/5点満点中
監督
サーシャ・アンセルド
脚本
サーシャ・アンセルド
出演者
サラ・ジャフィ
あらすじ
青い傘が赤い傘と出会い、恋に落ちる。
総評
ピクサーは、日常に普段あるものを使うのが、非常にうまい。そのことを痛感させる一作です。町の中に溶け込んでいる傘が、ある瞬間青い傘が現れ、赤い傘と恋に落ちる。
たったそれだけのことですが、起承転結がきちんと語られ、その上、音が非常に楽しい作品です。雨が落ちる音が最初はぽつりぽつりとした音だったのが、やがて音楽に代わり、その音楽が雨が降る間流れ続ける。それが非常に心地の良い作品に変えています。話自体は、「紙ひこうき」の方が出会いとしては、センセーショナルな感じだったのですが、こっちはしとしとと緩やかな作品で落ち着きがあり、違った良さがあります。雨の日に難易げなく見るのに適した一作です。おすすめ。
キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)上映時間:131分
評価【★★★☆☆】3.5/5点満点中
監督
マシュー・ヴォーン
脚本
ジェーン・ゴールドマン
マシュー・ヴォーン
出演者
レイフ・ファインズ
ジェマ・アータートン
リス・エヴァンス 他…
あらすじ
表の顔は、高貴なる英国紳士。裏の顔は、世界最強のスパイ組織“キングスマン”。
国家に属さない秘密結社の最初の任務は、世界大戦を終わらせることだった…!――1914年。世界大戦を密かに操る闇の狂団に、英国貴族のオックスフォード公と息子コンラッドが立ち向かう。人類破滅へのタイムリミットが迫る中、彼らは仲間たちと共に闇の狂団を倒し、戦争を止めることができるのか?
総評
キングスマンシリーズの3作目になる本作はエピソード0よりも前の話という感じで、前2作とのつながりがあまり深くありません。
前作、全然策にあったような荒唐無稽さは残しつつも、戦争映画としての色が強く出ており、重い作風になっています。そこを良しとするか、否とするかで評価が分かれるかと。何より日本版予告の「始まりも超過激!」という謳い文句程、内容が過激ではないので、そこは肩透かしな印象を受けてしまいました。
とはいえ、映画としては固い作りになっており、軍事面だけでなく、家族ドラマにも焦点をあてて、スパイ要素、そして迫力のあるクライマックスバトルまで、十分に楽しめるエンターテインメント作品になっています。また、ラスプーチンの存在が大きい映画ともいえるでしょう。彼が出てくると荒唐無稽さが際立ち、重めの雰囲気を軽くしてくれます。彼なしでこの映画は語れないといえます。
ブラックフット クマ地獄(2014年製作の映画)上映時間:92分
評価【★★★☆☆】3.0/5点満点中
監督
アダム・マクドナルド
出演者
ミッシー・ペリグリム
エリック・バルフォー
ジェフ・ループ 他…
あらすじ
熟練のアウトドア派のアレックスとアウトドアには全く慣れていないジェン。都会に住むカップルがカナダの大自然へキャンプに出かける。しかしそこは雄大で美しい景色と危険が隣り合わせの場所だった。
気の乗らないジェンをどうにか説得して、アレックスは彼女を自然公園の奥にあるお気に入りの場所、小道へと連れて行く。最初の晩、森の奥地で2人はブラッドと出会う。ブラッドはジェンに色目を使い、2人を尾行しかねない怪しい、高圧的な男だった。ブラッドをどうにか振り切り、2人は小道へと向かうが、途中で道を誤ってしまう。アレックスは頑固に道をわかっていると主張するが、3日後、2人の道は完全に途絶えてしまい、広い森の中、絶望的に迷子になってしまう。食べ物も水もなく、帰り道を探そうと奮闘するが、厳しい環境の中、お互いへの不満が爆発し、関係が悪化してしまう。そしてその時……
総評
実話を基にした映画。実話を基にしたというだけあり、タイトルのようなクマ地獄というよりはクマ(によって引き起こされた)地獄(のような状況)が正しい表現かもしれません。
前述の通り、クマと出会うまでが長く、この映画の半分以上を占めており、登場人物たちがいかに森に迷い込んだかを丁寧に描いているのですが、それが長い分登場人物たちへのいら立ち、特にキャンプに自信ニキであるブラッドとアレックスのいざこざは見てるこっちが嫌になります。
クマに遭遇した後は、ほぼセリフなしで森からの脱出劇を描いており、クマも出てきますが、それ以上にサバイバルの要素が強くなります。この点は若干の冗長さもありますが、自然の中でフラフラになりながら歩き続けるジェンを応援したくなります。
総じて国内版のパッケージを見ると、クマパニックものに見えますが、どちらかというとサバイバル要素の方が強い映画になっています。大自然の雰囲気を味わいたい方は是非ご鑑賞下さい。
トップガン(1986年製作の映画)上映時間:110分
評価【★★★☆☆】3.9/5点満点中
監督
トニー・スコット
出演者
トム・クルーズ
ケリー・マクギリス
ヴァル・キルマー 他…
あらすじ
アメリカ海軍のトップ1%のエリートパイロットを養成する訓練学校・トップガン入りを果たしたマーヴェリック。彼が親友の死や恋を経てパイロットとして成長していく物語。
総評
美男美女の恋、唸るエンジン、かかるロックミュージック…80年代の全てが詰まっているといっても過言ではないのがこの作品です。
主演のトム・クルーズの人気を不動のものにしたともいえる本作ですが、このころから鍛え上げられた肉体、白い歯、そして笑顔は既に完成されています。
ストーリーは単純明快で、才能にあふれ生意気な青年(このころのトムの役はこの感じが多かったですね。)マーヴェリックが教官である女性と恋に落ち、挫折や親友の死を乗り越えながらパイロットとして成長していくというもので、今見ると恋にかまけすぎじゃないかとも思えますが、そこはご愛敬。
本作を象徴するのが、戦闘機の特撮シーンです。米海軍の協力を得た本作は、超望遠レンズを駆使し、迫力ある飛行シーンの撮影を可能にしています。そのかいもあり、当時であれば合成、今ならCGで作ってしまうであろう飛行シーンを見事に迫力のあるものにしています。また、模型も駆使しており、爆破シーンも演出するなどして、この映画をただの訓練学校もので終わらないものにしています。
そして、もう一つの特徴ともいえるのが、男の裸シーンの多さです。これについては、是非一度ご鑑賞いただきたいのですが、もうこれでもかというくらいに登場人物たちが脱ぎ、ことあるごとにシャワーを浴びています。そしてオイルでてかてかになった肉体美を見せつけているのです。もう男祭り、いや漢祭りな状態なカオス場面が多いのもこの映画の特徴です。
総じて、迫力のあるシーンに、単純なラブストーリーも加わりエンターテインメント作品として、幕の内弁当の様になっている映画です。今作公開から約35年の月日を経て作られた続編である「トップガン マーヴェリック」に備えて是非一度ご鑑賞下さい!
マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)上映時間:129分
評価【★★★☆☆】3.1/5点満点中
監督
リリー・ウォシャウスキー
ラナ・ウォシャウスキー
出演者
キアヌ・リーヴス
ローレンス・フィッシュバーン
キャリー=アン・モス
ヒューゴ・ウィーヴィング 他…
あらすじ
ネオ、トリニティー、モーフィアスらはマシンとの壮絶な戦いの中で、人類の勝利と滅亡の瀬戸際に立たされていた。ネオは人類がいまだかつて踏み入れたことのない領域=マシン・シティーの心臓部に入り込む。そして1秒毎にパワーを増し、マシンにさえも制御不能となったスミスと最後の対決を迎えた・・・。“マトリックス”3部作、衝撃の最終章!
フィルマークスよりあらすじ抜粋
総評
現実と非現実が入り混じってどちらが現実なのかあいまいにさせていた前回、前々回と異なり、今回は前作で評判の良かったトンデモバトルシーンをこれでもかと盛り込んでいます。単体の映画としては、どうにも消化不良感が否めません。
ザイオンでの防衛線もやや単調で、迫力はあるのですが、銃乱射ばかりで正直飽きが来てしまいました。
ネオとスミスの戦いに関しても規模がでかすぎてもはやよく意味が分からない状態になっており、最後のオチも「あぁそうなのね」というかんじでした。
よかった点としては、スミスの生き生きとした感じでしょうか。「ミスターアンダーソン!」と元気よく挨拶し、ニッコニコでネオと戦う様子はこちらも笑顔になってきます。また、トンデモカンフーは本作でも健在で、そこも抑えるところは抑えているなという感じです。
総じて、前作の続編という事もあり、起承転結の転の途中から結までを描いたような本作ですが、ややおいてきぼりな感じは否めません。ただ、抑えるところは抑えているので、三部作一度もみたことがない方は一通り観てみてはいかがでしょうか。
フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)上映時間:117分
評価【★★★☆☆】3.8/5点満点中
監督
スタンリー・キューブリック
出演者
マシュー・モディーン
アダム・ボールドウィン
ヴィンセント・ドノフリオ
あらすじ
ジョーカー、アニマル・マザー、微笑みデブ、カウボーイ他、全員が地獄の新兵訓練所に投げ込まれ、情け容赦ない教官ハートマンに鍛えられる。彼らは海兵隊としてベトナムに参戦するために鍛えられていた。
総評
スタンリー・キューブリック監督作品。「シャイニング」から7年の期間を経て製作されたこの映画。あまりにも有名すぎるシーンが多くある本作について紹介します。
結論から言うと、前半のハートマンによる地獄のしごきがこの映画のパワーの源といえます。
兵隊の訓練はハートマン軍曹役のR・リー・アーメイが、元々軍人上がりの人間だったという事もあり、出てくる罵詈雑言のリアルさ、そして徹底的に人間性を否定していく様がありありと伝わってきており、今作のパワーを引き上げています。
また、微笑みデブことレナードの存在もハートマンと切っても切り離せないでしょう。最初ドジばかりを踏み、仲間からリンチを受けるようになったりするうちに精神に不調をきたし、銃に語りかけるようになったり、目が座っている状態になったりと、短期間で人間がどう壊れていくのかを見事に演じ切っています。
後半のベトナム戦争の場面に関しては、やや冗長な感じも否めませんが、主人公一行が容赦なく殺されていき、前半の訓練の部分があるからこそ、戦争の虚しさを感じさせます。最後ミッキーマウスマーチを歌いながら行軍していくのは、頭から離れない印象的なシーンでした。